光を利⽤した治療技術の研究は進展しているものの、臨床応⽤に⾄ったものはNIR-PIT(光免疫療法)の⼀部の適応癌種や⽪膚・美容領域のみにとどまっております。PDT(光線⼒学療法)は古くから知られる光を利⽤した癌治療技術ですが、広く普及していないのが現状です。光を目的部位に届ける有効な⼿法、デバイスがないことがネックとなり、この分野の研究開発が滞っておりました。
光を深部まで透過させる⼿法として、⽣体成分に吸収されにくい波⻑の光を選択、またその波⻑に吸収を持つ薬剤の開発が中⼼でした。しかしながら、下記の引⽤の図の通り最適な波⻑選択のみでは光照射可能な深さが、照射部から数ミリの深さまでと限られるため、治療域を広げることに⼤きな壁がありました。体表・穿刺・開頭での脳表⾯照射・内視鏡を併⽤した管腔からの表⾯照射等も行われておりますが、照射対応範囲が狭く適応できる症例が限定的でした。
そこで、弊社の創業者である塚本は、血管から挿入して光照射を行うカテーテル様のデバイスを世界で初めて開発しました。

このデバイスはカテーテル内に光ファイバを内蔵し、デバイス後端にレーザ光源装置を接続する構成となっており、血管内から腫瘍へ向けて光照射を実現できる画期的なものでした。塚本らのチームはブタを用いた実証実験に成功し、その結果を含む研究成果は eBioMedicine 誌に掲載されました。
掲載論文:Inside-the-body light delivery system using endovascular therapy-based light illumination technology https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2022.104289
このシステムの臨床応用にあたっては、既存の心臓カテーテル室を使用し、手技としても心臓カテーテルと同等の手技とし、設備面でも人材面でも既存のリソースを活用する想定でおります。多額の投資を不要とする医療経済的にも効率的なシステムを目指しております。

最新のプロトタイプモデルでは、日亜化学工業様の超小型レーザ光源をカテーテル先端に搭載しており、デバイス内での伝送損失を最小限に抑えた照射が可能となっております。

今後は血管内光照射技術の早期の社会実装へ向けて、アカデミアの皆様ならびに企業の皆様と共同研究・開発を推進し、デバイスの安全性・有効性の確認、薬事承認の取得、保険収載といったマイルストン達成を目指します。得られた知見は設計や薬事にフィードバックし、1日も早く安全かつ有効な治療法を患者様へ届けられるよう、研究開発活動に邁進してまいります。