研究開発

取り組み背景

光を利用した治療技術の研究は進展しているものの、臨床応用に至ったものはNIR-PIT(光免疫療法)の一部の適応癌種や皮膚・美容領域のみ。PDT(光線力学療法)は古くから知られる光を利用した癌治療技術であるが、広く普及していない。
光を目的部位に届ける有効な手法、デバイスがないため。

現状の技術と課題

光を深部まで透過させる手法として、生体成分に吸収されにくい波長の光を選択、またその波長に吸収を持つ薬剤開発が中心。
しかしながら、下記の引用の図の通り最適な波長選択のみでは光照射可能な深さが、照射部から数ミリの深さまでと限られるため、治療域を広げることに大きな壁がある。

文部科学省: 健康に寄与する光 3 光を用いた非侵襲生体診断https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/attach/1333543.htm

競合技術・既存技術

体表・穿刺・開頭での脳表面照射・内視鏡を併用した管腔からの表面照射等では、下記の引用の図の通り既存技術では、照射対応範囲が狭く適応できるがん・患者が限定的である。

東京医科大学 HP(体表あるいは体表から穿刺しての頭頚部がんに対するNIR-PIT治療)

医療法人 刈谷豊田総合病院HP(開頭 PDTによる 悪性脳腫瘍治療)

国立がん研究センター東病院HP(内視鏡PDTでの食道がん治療)

東京医科大学:「頭頸部アルミノックス治療」https://team.tokyo-med.ac.jp/jibi/news/2021/02/25.html

刈谷豊田総合病院:脳腫瘍に対する光線力学的療法 https://www.toyota-kai.or.jp/hospital/advance/pdt.html

国立がん研究センター東病院:食道がんの内視鏡治療について https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/endoscopy/040/010/index.html

当社の技術

・血管、管腔経由で光照射できるデバイスの開発、検証の実績。
・全身の血管を経由した光照射により適応疾患、患者数が大幅に拡大
・世界で初めて、血管から組織に光を届けるデバイス開発とシステム開発に成功(2022年10月発表)

eBioMedicine 2022;00: 104289 Published online 
https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2022.104289

ターゲット疾患

  1. ① がん(NIR-PIT、PDT)
  2. ②神経系疾患
  3. ③再生医療・遺伝子治療

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対象癌種を大幅に拡大

ex. 気管支以外の肺がん、膵癌、脳腫瘍、その他有効  な治療法のない癌種やステージへの適応

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・アルツハイマー病は、アミロイドβやタウ等のたんぱく質凝集が要因になると考えられている。

・このたんぱく質の凝集を防ぐ、あるいは破壊する物質が近年数多く報告されており、引用の図の通りその中でも特に光を利用するPDTやPTT(光温熱療法)との組合せ技術が有望視されている。

・上記を臨床で達成するための光照射デバイスがない。デバイス開発により研究を進展し実用化を目指す。

国立研究開発法人日本医療研究開発機構HP
https://www.amed.go.jp/news/release_20180608.html

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「生命現象を赤色光でコントロールする技術を開発」~遺伝子発現とDNA組換え反応の光操作を実現~

臨床移行に適した光照射デバイスがない。デバイス開発により、研究を進展し臨床移行を目指す。

「生命現象を赤色光でコントロールする技術を開発」
~遺伝子発現とDNA組み換え反応の光操作を実現~
Kuwasaki, Y., Suzuki, K., Yu, G.et al.
A red light–responsive photoswitchfor deep tissue
optogenetics. Nat Biotechnol(2022).
https://doi.org/10.1038/s41587-022-01351-w

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